あまえ

あまえが悪いものだっていう風潮はどうかと思う

中途半端な欧米化
といより
中途半端な契約社会化

中途半端といっても10年前よりだいぶ契約社会化が進んできたけど

いっそ完璧に以降すればある面やりやすくなるだろう
無駄がへる
仕事も家庭もシステマチックに問題が処理されていくだろう

でもシステマチックに処理できない精神面の問題は、より引き受け所をなくすだろう

欧米がそれでもまわるのは宗教が軸にあるからだと思う

教会やモスクに集って一体感を得て
祈り、懺悔し、戒律を守ることで神に許される

その点、日本は長らく一体感や許しを得るのはムラ社会においてだったり、イエ制度のなかでのあまえによってだった

馴れ合い

だから八百万の神は個々人の罪をいちいち許したり罰したりはしない
その神そのものに無礼を働いたりしない限りは
戒律らしきものも一般庶民には浸透していない
必要なかったから

ムラやイエが求心力を失っている現代、信仰ももたない人間にはだいぶ生き辛い時代だと思う

既存宗教への帰依がハードルが高いという面もある
自殺者や新興宗教にのめり込む人が増えるのも自然な流れだ

無宗教でも問題ない
合理的かつ、理論的に生きればいいという人もいるだろうが、あくまで個人のキャパシティ内で物事が進行しているときに限るだろう

耐え難い不幸に見舞われたとき
理屈だけでは乗り切れない

宗教がいいと言うわけではないが
人生の危機に瀕したとき、
精神の救いをどこにもとめるかという問題は
もうちょっと表立って話し合われてもいい気がする

いまそれをしておかないと、社会の仕組みが変わったとき
経済の仕組みが変わったとき
いままで合理的だった方法が通用しなくなったとき
絶望から立ち直れずに終わってしまう人が大勢でるのではないか

社会や経済の仕組みは所詮人間が作り出したもので不変ではない

実際この100年でも大きく変わっている

魂や精神の活動はもう少し注目されてもいいと思う